夫婦奴隷の淫靡な性生活
第二部 夫婦奴隷に落とされて...
パート16
共同生活の日々

 この年も押し詰まった12月の31日の夜。結婚式のクライマックスで、僕は妻と一ノ瀬に見下ろされながら、真っ白なミニ丈ウェディングドレス姿で四つん這いの姿勢を澤村に強要され、両脚を大きく開かされて辱められたのでした。激しく勃起した彼の肉棒でウシロを深々と犯され、きびしい突き上げで執拗に責め上げられ、最後には大量の白濁で体を汚されました。僕自身はというと、澤村の腰の動きと同期した淫靡な手コキで射精寸前まで迫り上げられましたが、彼の射精と同時に手の動きも止まってしまったのです。ああ、また...生殺しでした。どこまで僕を苛めようとするのか...
 とまれ僕は男妻とし澤村に嫁がされ、ここにめでたく婚姻が成立したのです。裕子は一ノ瀬によって僕から奪われて、実質的に彼の妻として生きて行くことになりました。でも4人の共通認識として、澤村と一ノ瀬は外見上は一人暮らし、僕と裕子は外見上は夫婦として、これまで通りの生活形態を取ることになっていました。裕子は一ノ瀬の妻となりましたが、仲間内では僕の奥さんと認識され、呼ばれもするのでした。それは僕を精神的にいたぶるためでした...
 僕の勤め先の仕事納めが29日だったので翌30日から始まった一連のおぞましい出来事も、年が明けて2日には終わります。僕たち3人は3日朝の特急で札幌に戻り、一ノ瀬だけ釧路に留まることになるでしょう。ここ一ノ瀬邸...調教の館とも呼ぶべきこの忌々しい屋敷での生活は、今日を入れてあと2日残されています。夫婦+男性二人、あるいは女一人と男三人の4人の男女の共同生活...新年早々、元旦から僕の性奴隷、労働奴隷としての調教は続くのでしょう。そして僕と裕子の夫婦奴隷としての調教も...

ー昨夜の思い出 指輪交換ー
 通常の指輪交換式は省略され、その代わりに奴隷用首輪の装着式が執り行われた僕と澤村の結婚式...一ノ瀬の意地の悪い企画でした。でも昨夜、ミニ丈のウェディングドレス姿でウシロから彼に犯される直前、一ノ瀬が突然、「ああ、忘れていた」と言いながら、僕たちに指輪を見せたのです。TM to SMとイニシャルを掘ったプラチナっぽい指輪と、別にSM to TMのイニシャルが刻印された同様の指輪...その後、一ノ瀬がわざと真面目な声で宣言しました。

「これから指輪交換を行います。新郎新婦はそこに立ちなさい」

 一ノ瀬と裕子の前に、向かい合って立たされた僕と澤村...ええ、僕は真っ白なミニ丈ウエディングドレス姿で、その下には3枚のペチコートを重ね、白いストッキングを同色のガーターベルトで吊り、そして白レースの股割れパンティを着けています。そこで一ノ瀬がさらに続けます。

「ではまず新郎から新婦へ」

 そう言いながら一ノ瀬は澤村に指輪を渡します。SM to TMの指輪...澤村は僕に目配せして、手を差し出すように暗黙の命令です。性奴隷に落とされた僕、高原への命令なのです。僕は左手を彼の前に差し出します。その時の気持ちは、一生外すことのできない首輪をさっき嵌められた時の気持ちに似ている思いました。澤村がかしこまって僕の指に指輪をゆっくりと嵌めて行きました。それはまるで僕の勃起したペニスに奴隷リングをゆっくりと根元の方へ嵌め込んで行かれるときのようでした。もっと言うならば、激しく勃起した澤村の陰茎で後ろをゆっくりと犯されて行くときの感覚でした。屈服と屈従の思い!...ああ、僕は澤村さまの性奴隷に落とされた!...そう思うとドレスの下で性器がとてもつらくなってきて...でも、その時、僕の淫靡な気持ちを見透かすように一ノ瀬が言いました。

「次は新婦から新郎へ」

 そう言って彼は僕の手にTM to SMの指輪を渡しました。彼の目が冷たく妖しく僕を見つめます。ああ...僕は新婦なんだわ。女なのね。男妻!...そう思わされ、とても興奮して来ましたが、儀式は続けなければなりません。僕は澤村が差し出した左手に指輪をゆっくりと嵌めました。不思議なことですが、僕が澤村の指に指輪を嵌め込んで行っているのに、あたかも僕が指輪をゆっくりと嵌められているような...ウシロを犯されているような...倒錯した被虐の情感が湧き上がってきたのでした。

 淫靡な指輪交換式を見守っていた一ノ瀬と裕子...僕が高ぶった気持ちで妻を見ると、彼女は軽蔑の表情を浮かべて僕を見つめています。その冷たい視線を避けるようにして彼女の手を見ると、左手の薬指に銀色に光る指輪が...僕は慌てて一ノ瀬の手を見ると、やはり指輪が...掘られている文字を確認することはできませんでしたが、想像することは容易でした。ああ...妻は一ノ瀬に屈従させられたのです...そんなことはもうとっくに分かっていることです。でも、やっぱりくやしい...無念です。あんなに馴染んだ妻の体は、心ともども一ノ瀬に奪われてしまったのです。口惜しい...とてもつらい...それ以上にとても屈辱的な思いが募ってきて、情けなくも涙が溢れ出て...ああ...こんな酷いことって・・・

ー結婚式のあとでー
 結婚式の夜、僕と裕子は昨晩と同じ部屋を寝室としてあてがわれました。ベッドは2台...形式上の夫婦として同じ寝室で夜を過ごすのは当然のことです。が、夫は妻に触れることを禁じられています。寒い釧路の夜だけど、ここは十分に暖房がきいていて、妻は純白のスリップ1枚に淡いブルーのシルクの肩掛けという悩ましい姿で夫の前に立っています。夫にはそんな妻の乳房を掴むことも、盛り上がった尻を撫でることもできません。もちろんキスも厳禁です。夫が無理やり行為に及んだとしても、妻は問い質されればすべて正直に一ノ瀬に白状するでしょう。この禁止令を破った罰は入れ墨だと夫は一ノ瀬から言い渡されています。尻に奴隷の「奴」の字を大きく入れ墨されるのです。それは絶対に避けるべき懲罰...妻はいずれこの格好でベッドに入るのでしょうが、その前に彼女には仕事がありました。

妻 「ドレスを脱ぎなさいよ。不細工なあなたには似合わないわ。早く脱いで」

 夫がミニ丈ウェディングドレスを苦労しながら脱いでキャミソールとペチコート姿になると、妻は夫が3枚重ねたペチコートの2枚を脱ぐように命令しました。残されたのは一番短い35cm丈のペチコート。ストッキングもガーターベルトからはずすようにとの命令。
 この無防備なランジェリー姿の夫を夫に妻は手錠をかけるのでした。カチャカチャと金属音を響かせながら妻は夫に「手を後ろに回して」と冷たく命じて、背中に回した夫の左右の手首に手錠をかけました。「どうして?」と聞くと、「彼から言われてるのよ。あなたが手淫しないように厳重に見張るようにって」...

 ああ...僕は恐ろしい予感を覚えました。いずれ一ノ瀬は僕の性をすみずみまで支配するようになる。裕子を使って僕を見張らせ、彼女のスカート姿でわざと僕を刺激して発情させておきながら、僕の射精を禁止することになる...僕は覚悟を決めなければなりませんでした。生き地獄がいよいよ始まるのです...

 僕は無防備なランジェリー姿で後ろ手錠をかけられ、そしてベッドに寝かされました。真上を向くと手首が痛いので横向きです。そんな恰好の夫の尻やふとももを妻がスパンキング・パッド打ち始めました。バシッ!...バシッ!...バシッ!...

夫 「ウウウッ!...ど、どうして...どうして君が?...」


妻 「一ノ瀬くんに言われてるの。お尻とふとももを10回ずつ、私の力で思い切り叩いておくように、って。高原にヒリヒリする痛みを感じさせてやれ、って...ごめんね。でも、これが私の仕事なの...」

 ああ...妻はもう一ノ瀬の手先になったようなものです。彼は妻を使って、遠くからでも彼の思うような苛め方、責め方、辱め方で僕を調教できるのです。彼の手先となって指令をこのように実行する時、妻が何を感じているのか...ぶざまな夫をいたぶって何をどう感じるのか...夫の僕にはもはや分かりません。妻の心はもうずっと遠いところに行ってしまい、しかもそこで安住して一ノ瀬と一緒に楽しんでいるのです!...

ー労働奴隷の2日間ー
 翌日は新年元日でした。僕と澤村の新婚生活の一日目です。朝食前、一ノ瀬・裕子夫婦に見守られる中で、僕はテーブルの前に全裸で立たされました。「そこに両手をついて尻を後ろに突き出すんだ、高原!脚を開いてッ!」と澤村が僕に命令します。「もっと脚を開くんだ」...「ウウウッ」...僕は肛門を澤村の指で嬲られます。ローションをつけているので摩擦がまったくなく、指の腹で擦られたり撫でられたり、淫靡な刺激が直で伝わってきます。男が男を性的に弄ぶ非日常的な光景。排泄器官をまさぐり責めているのは長年の友人澤村だ。全裸に剥かれた夫の両脚を開かせ、指先で凌辱行為を行っている。妻の目にどう映っているのでしょう?
 延々と続けられる凌辱...妻の前で肛門を嬲られるという辱めを受けて、僕の性器は恥ずかしいくらい勃起してしまいます。マゾというあさましい性癖を妻たちの前で晒しものにされて、その恥辱で性器はますます高ぶります。「アッ...」ヌルッといういう感触とともに、肛門の中に僕は指を感じました。二本の指...根元まで入れられ、抽送が始まります。何回も何回も...途中、指がクイッと曲げられて前立腺を苛められて...澤村の左手は僕の性器をいやらしく撫で回し続けます。アアァ...執拗にいたぶられるウシロと性器...も、もう堪忍...お願い、許して...と、ギリギリのところまで迫り上げられた時、また指が引き抜かれ、性器から手も離れて行くのです。どこまでも続くなぶり殺しです。
 やがて素面に落とされた僕の肛門に今度は固いものが...ああ、この感触!...あの淫具です。「よし、高原。今度は脚を開いて立てッ!」...澤村の手には赤いロープが握られています。股縄はこれまで僕が自分で施していたのですが、今日は自分以外の手で締められることに...ウウウッ...同性の手で締め上げられる股縄はとてもきつい...キリキリと陰部に食い込む縄の感触が被虐感をそそります。淫具は今、股縄の下で肛門に埋め込まれた形になりました。もう逃げられない...「よし、高原。下準備は完了だ。服を着ていいぞ」と澤村が言いました。メイド服でなくてもよいとのことで、紺無地のフレアミニスカート+ベージュのタートル、ナチュラル系のストッキングをグレーのガーターベルトで吊りました。スカートの下にはペチコートを3枚重ねました。タートルの下には薄ピンクのキャミソール+同色ブラジャーでした。そして赤いフリルの付いた黒レースの股割れパンティ...
 
 女装夫の僕は労働奴隷でした。それは結婚式を挙げさせられるまでのこの一ノ瀬邸での生活と同じでした。仕事は、食事の後片づけと食器洗い。屋敷全体で部屋と廊下の掃除機かけおよび雑巾がけ。トイレ掃除と風呂掃除。ゴミのとりまとめと表通りへの搬出。男のスカート姿を見咎められる瞬間ですが、あくまで一ノ瀬邸の門までの私有地なので、通報されても問題はないということでした。澤村がニヤニヤしながら言うのです。ただ僕が恥ずかしい思いをするだけだ、と。彼は僕のウシロを犯している淫具のリモコンを持っています。これって、意外と遠いところまで効くらしくて、僕がスカート姿でゴミを表通りに出している時に突然スイッチが入って...それでイカされるわけでもなく、ただ性感を嬲られるだけなのですが、場所が場所だけにとても屈辱的に感じて勃起が進んでしまうのです...

 元日と2日、僕は労働奴隷として澤村にいたぶられながら過ごしました。一ノ瀬と妻がお遊びの相手として僕をいたぶることはまったくありませんでした。二夜つづきで、夫婦が寝室に入った時、妻が一ノ瀬から指示された折檻を女装夫にくわえることだけが、一ノ瀬と裕子から僕へのエロチック・アクションでした。それ以外は、きわめて事務的というか、無関心というか。二人の生活を僕と澤村の前で楽しむだけの2日間。当然のことながら、残された僕と澤村の間には摩擦が起こり、雄2匹の間で優劣が意識されるようになり、そして僕は僕の境遇をあらためて思い知らされることに...変態女装マゾとして、僕は澤村の性奴隷に落とされ、彼の男妻として娶られ、今年から新しい生活が始まったのです。

 2日間の労働奴隷期間中、僕は澤村からさんざん辱められました。実際の行為としては...つまり妻や一ノ瀬の目に映る僕たちの行動としては、たとえば一ノ瀬と裕子を臨場させた風呂場で、彼が僕を全裸にして(彼も全裸です)、あの柱に鎖で両手吊りに立たせて革ベルトの鞭で折檻したり、細く鋭いシャワーを絶妙の強度で僕の性器に当てて性感を嬲ったり...あるいは食事中に突然、食器洗いができていないと言って僕を床に四つん這いにさせ、顔を裕子に無理やり向けさせて尻を鞭打ったり...これらはどれもそれだけの行為...折檻あるいはお仕置あるいは懲罰という名の行為です。でも、僕にとってはどれもただの苦痛ではなく、辱めだったのです。一番つらかったのは、妻や一ノ瀬が見ている前での性的折檻でした。スカート姿の僕は彼らの前に立たされます。澤村が後ろに立って、僕に命令するのです。「よし、高原。スカートとペチコートを自分で捲り上げろ!...前を捲り上げて性器を剥き出しにするんだ!」...澤村の命令は絶対です。僕は命令されるがままにスカートも下着も持ち上げて、性器を丸見えになるまで捲り上げます。パンティを禁じられ、赤いロープで股縄をきっちり締め上げられた下半身が剥き出しに...朝食後から夕食後まで、純子が労働奴隷として酷使される間、ウシロはあの忌まわしい淫具で深々と犯されています。股縄が淫具の抜け出しを防いでいます。性的折檻の時は必ずこの淫具が動き始めるのです。前立腺を刺激されて、いやでも勃起が進んでしまう恥ずかしさ...

 そんな僕の背後に澤村がそっと近づき、乾いた手を伸ばして、僕の性器を嬲ります。包皮をグッと扱かれて亀頭が丸出しに...ウウッ!...アア...男の手で!...同性の手で、性器を執拗に嬲られる屈辱。これでもか、これでもかと迫り上げられ、その被虐の快感に僕は酔い痴れて行きます。そして、いよいよ絶頂というタイミングで彼は手を止めます。僕の体の生理を熟知している彼は、実に的確なタイミングで手をピタッと止めて、僕に服従と哀願の言葉を声に出して言うよう強要するのです。そんなことが何回も何回も...屈従の言葉を妻や一ノ瀬が見ている前で何度も言わされて...それはもう気が狂うような焦らしです。「ああ...純子は澤村さまの奴隷ですわ」...「お願いです、澤村さま。純子をもうイカせて...射精を許して...アアァ。気持ちいい...もっと...もっと」...妻と一ノ瀬の見ている前で...これは折檻でも拷問でも懲罰でもありません。精神的ないたぶりです。僕は男としての、夫としての自尊心、プライドを1枚ずつ剥がされて行くのです。あたかもスカートの下に重ねたペチコートを1枚ずつ捲り上げられて、恥ずかしがる表情を見世物にされるように...

 僕のからだは迫り上げられ、精神も絶頂へと追いやられて行き、ついには崩壊寸前のところまで追い詰められます。もう意識も狂わんばかり、襲い来る快楽の予感に痴呆のごとく悶え狂う僕...恥ずかしい言葉...屈服と服従の女言葉を繰り返し言わされて徹底的に責め抜かれる僕ですが、実に絶妙なタイミングで澤村はそれまでの僕の性器への手淫を中断するのです。ああ...意地悪!...発情しきって朦朧となった僕の耳に突然澤村の声が...

「おまえは札幌に帰るまで射精禁止だっ!」

 澤村が僕の前に回って...ええ、スカートを捲り上げて下半身を丸出しにしている僕の前に回って、ニヤニヤしながら言い放ちました。そんな...生殺しのような突き放しでした。ああ...妻や一ノ瀬の前で無理やりアクメの快感に引きずり込まれるのはとても恥ずかしいけれど、でもそんな恥辱に耐えながらでも埒を開けて欲しい...イカせてほしい...射精させて欲しい...一息に殺して...下さい。嬲り殺しは堪忍...生殺しだけは堪忍...

 でも僕は澤村の性奴隷...どんな命令にも絶対服従の分際です。奴隷にできるのはただ耐えることだけ...射精禁止という残酷な命令に服従して、あと2日の生き地獄を生き抜くしか道はありませんでした。僕はスカート姿で家事労働を淡々とこなしていきました。その間、気が向いた時に澤村が僕の仕事に難癖をつけて叱責するのです。折檻と称したり、懲罰だと宣言したり、拷問だなと聞こえよがしに呟いたりしながら、その場で僕の下半身に鞭を入れるのでした。たまたま妻が近くにいる時には、「ご主人は今、体罰を受けてるんだぜ」とか「こいつには体刑が似合うよ」とか彼女に話しかけて、その前で女装夫を辱めます。その体には、ウシロを深々と犯している淫具に加えて性器亀頭のくびれにもリング型の責め具が嵌められていて、澤村や一ノ瀬が無線リモコンを持っています。彼らはリモコンのスイッチを面白半分に弄んで、僕を絶えず発情させることで陰惨かつサディスティックな欲望を宥めているのです。ウウウッ...元日も倒錯した淫靡な時間が流れ、今は昼食後の気だるい昼下がりにとなりました。勃起させられては引かされるという淫らな焦らしを繰り返されたため、僕のスカートの中では重ねたペチコートがぐっしょりと濡れています...

ー雌奴隷としてー
 裕子は一ノ瀬に奪われて、もう僕の妻ではないのですが、彼自身から僕が彼女を妻と呼ぶように命令されています。一ノ瀬も澤村も裕子を奥さんと呼びます。僕を精神的にいたぶるためです...僕が労働奴隷として働かされ、そして澤村に嬲られ辱められ続けた午前中、妻は外出したりDVDの映画を見たりして寛いでいました。が、午後になると二人の男が露骨な視線で妻のスカート姿を追うようになったことに僕は気がつきました。午前中、彼女が見ていたのは一ノ瀬から渡された「スキャンダル」という昔の洋画でした。公道で全裸の辱めを強要されるリザ・ガストーニの表情が男としての嗜虐的な欲望をそそりますが、妻が何を思って見ていたかは分かりません。男二人は映画の中のストーリーを妻のスカート姿に投影して自らの欲望の炎に油をそそいでいたのでしょう。その午後、妻は夫の目の前で、男二人の共用雌奴隷のように徹底的に辱められ、そして犯され続けました。その様子を目の当たりにさせられた夫には、妻は無理やり犯された、とか辱められたとかではなく、自分から進んで男たちを受け入れて行った...性の快感を積極的に貪り取って行った...そのように感じられたのでした。妻を目の前で蹂躙された夫として、その時の顛末と夫の気持ちは、ここに詳しく書き記しておかなければなりません。

 元日の午後、妻は紺無地のプリーツスカートに薄地ニットの赤いセーター、その下に薄いピンクのブラウスというスタイルでした。セーターは体の線をはっきりと映し出し、ウエストのくびれを強調しています。スカートは腰の部分でプリーツを縫い止めしてあるため、ヒップラインが強調されています。スカートの下で盛り上がる尻がとても肉感的...室内用の黒いハイヒールとこれ見よがしにバックシームの入ったストッキングは、妻の無意識のコケットリーなのか、男たちへの無言の秋波なのか、あるいは肉の接触をご主人さまに禁じられた奴隷夫への意地悪なのか...そんな妻が3時のおやつのためにクッキーを焼こうと、厨房に立つべくエプロン姿になった時のことでした。
 ちょうどその時、僕は台所の床にクイックル・ワイパーをかけて掃除していました。妻がエプロン姿で台所に近づいて来たので、僕は手を止めて思わず声をかけたのでした。

夫 「あれ?台所、これから使うの?」

 僕は澤村の男妻として彼の性奴隷の身。裕子は一ノ瀬の妻となり、その一ノ瀬は僕にとってはご主人さまの澤村と同じグループの男性。つまり僕にとって一ノ瀬はご主人さまであり、その奥さまとなった裕子も僕のご主人さまになるのです。閉ざされた小さな社会であるこの館では、身分関係は峻烈を極めます。本来なら性奴隷の僕がご主人さまの女性に対して気軽に口をきくことなど許されない身分関係のはず。でも、僕たち4人は同じ大学で学び、遊び、酒を飲みながら語り合った仲間という関係でもあるのです。もともとは友人同士だった4人です。身分関係に挑むような話でない限り、雑談やよもやま話、噂話、与太話など自由に許されていたのでした。

妻 「うん。お三時にみんなのクッキーなんか焼いちゃおうかな、って」

夫 「裕子お得意のチョコレートクッキー?よく作って一緒に食べたよね。あれはおいしいぞ。あの頃は楽しかったなあ。若かったから裕子のクッキーを持ってよくあの公園にピクニックに行ったよね、中島公園。雨上がりに散歩した時のこと覚えてる?」

妻 「覚えてるわよ。道から外れて芝生を歩いて行ったら、低い木がたくさん生えている所に迷い込んじゃって!...買ったばかりのスカートの裾が濡れちゃって、私、泣いたわよね?」

夫 「そうだったなあ。せっかくのギンガムのプリーツスカートが、ね。生脚でサンダルだったから足も濡れちゃって...」

妻 「ちがうわよ。あなたの記憶違い。あれはタータンチェックのプリーツスカートだったわ。4プラのゲルランで買ったばかりだったのよ。それに、私、サンダルだったけど、生脚じゃありませんでした。中島公園に行くんだから、必ずストッキングを履いていたわ」

夫 「四阿があったんだよね。まわりの木々で誰からも見られない隠れ家みたいな所。裕子ったら大胆にも、そこで濡れたストッキングをガーターベルトからはずして脱いで、バッグから予備を出して吊り直したんだよね。その間、白い太ももを誰かに見られたらどうするんだろって、僕の方がハラハラしたぜ」

妻 「だいじょうぶよ。見られたって痛くも痒くもないんだから」

夫 「そこのベンチは濡れてなかったから、そこに座って持参のビールを飲みながらクッキーを食べたよなあ。変な組み合わせだけど、信じられないくらいおいしかった。また食べたいなあ」

妻 「相変わらず食いしん坊なこと言って!...ね。台所のお掃除、あとどれくらいかかるの?」

 僕が答えようとした時でした。リビング・ルームのソファに座ってノートPCを弄っていた一ノ瀬がおもむろに立ち上がって妻に近づいたのです。それまでチラチラと妻のスカート姿に卑猥な視線を送っていたのでしょう。彼の顔は欲情に火照り、さらに僕と裕子の会話に対する嫉妬の苦悶が厳しい表情に表れているようでした。僕は一ノ瀬の前で妻と長々と話しすぎたと後悔しました。

一ノ瀬 「昔話で盛り上がっているようだな、裕子」

妻 「あ、いえ。そんなつもりじゃ...」

一ノ瀬 「いいんだよ。それでいいんだ。仲のいい夫婦を引き裂くのが...そう、生木を引き裂くように無理やり引き裂くのが俺の趣味なんだ。知ってるよね、裕子?」

 妻は一ノ瀬の言葉を心の中で反芻するように、黙って立ったまま俯いています。そして、か細い声で「ええ、分かってるわ。ごめんなさい」と囁きました。「私は一ノ瀬くんのものよ。一ノ瀬くんに所有される女なんだわ」とも。彼が妻をソファに誘い、二人は並んで腰かけました。妻は膝を固く閉じて、揃えた脚を横に軽く流しています。僕が床の掃除を続けている間、一ノ瀬が左手で妻の肩を抱き寄せ、近づいた妻の顔を右手で優しくなぞっています。形のいい額にかかる髪を整え、柔らかい頬に指で触れ、その指を優美な鼻梁に添わせ、そして固く閉じた花のような唇へ。彼が妻の上唇を執拗になぞり続けているうちに、かすかな喘ぎ声とともに妻の唇が半開きに...

 そんな状態で、さらに4,5分の間、一ノ瀬は指だけで妻の顔を愛撫し続けていました。妻は苦悶の表情を浮かべながら目を閉じてなされるがままに耐えています。あたかも唇を嬲られることが、これから訪れる快楽を予感させているかのように。そして、おもむろに一ノ瀬が顔を妻に近づけ、唇を合わせたのです。彼の右手は妻の顔から移動して胸の膨らみへ、そしてスカートの上から太ももへ...妻は体を大きく揺らせて、一ノ瀬の口づけと愛撫に反応しました。この時点で...いえ、唇を半開きに開いた時点で、妻は一ノ瀬に心も体も開いていたのです。

 台所にワイパーをかけ終っても、妻は一ノ瀬の口づけを受け続けています。閉じた目からは涙がこぼれて...きっと舌を吸われ、口の中を彼の舌で気の済むように蹂躙されている...舌を舌で弄ばれ、唾液を交換し合い、互いの気持ちを確かめ合っている...僕はすぐに理解しました。僕の性器はもうずっと前からスカートの中で激しく勃起しています。ああ...裕子...僕も射精したい...さっきまで妻の太ももをスカートの上から撫で回していた一ノ瀬の手は、今は膝からスカートの中に潜り込んで、直に太ももを撫でまわしています。紺のプリーツスカートが乱れて、白いペチコートかスリップが覗いています。きっとガーターベルトで吊ったストッキングの上端より上の部分、太ももの肌が直接出ている部分を一ノ瀬の手が狙って責めているのでしょう。あの吸いつくような凝脂の肌。

 僕が台所からリビングの床の掃除に移る頃、妻が唇を吸われたまま、それまでにない唸り声をあげて一ノ瀬の新たな責めに反応したようです。外から見ても、スカートの中で妻がどのような責めを受けているかは分かりません。でも妻の反応の強さから推察するに、きっと一ノ瀬の指が妻の体を犯し始めたのでしょう。濡れ具合を確認され、陰核を剥き上げられ、入口を探られ、そして...そして、人差し指でゆっくり犯され、中指も入れられて、二本の指が静かに出し入れされている...現に一ノ瀬の腕が左右にゆっくり静かに動き続けているではありませんか!...ああ...裕子...

 僕がリビングの床掃除をしている間じゅう、ソファに座らされた妻は一ノ瀬の指で苛められ続けました。そのソファーの周りの床を最後に掃除しようとした時、一ノ瀬は唇を妻の唇から離して左手を緩め、右手を妻のスカートから引き抜きました。妻は許されたのです。ぐったりとして、しどけない姿勢でソファに沈み込む妻の顔は、しかし、紅潮して目が充血し、唇も閉じられずに半開きの状態で、性的興奮が露わでした。妻の目に夫はもはや映ってはいないのでしょう。一ノ瀬の次の責めによって与えられるはずの快楽が妻の頭を完全に支配しているのでした。

 一ノ瀬が「じゃ、上の寝室で行こう、裕子。」と言いながら妻の肩にまた手をかけました。妻は黙って俯きながら一ノ瀬に引かれるまま階段へと向かいます。一瞬、顔を上げて僕を見て、興奮した中にも悲し気な表情を浮かべながら「ごめんなさい」と小さく呟きました。当然、一ノ瀬にも聞こえたはず。「まだまだ調教が足りないようだな」と彼は呟いたのです。僕は一ノ瀬が2階で妻をどう扱うかを想像して、唇を噛みました。それは人間であることを徹底的に否定されるほどの屈辱と激しい責め折檻...僕が澤村に言わされたような屈従の言葉を妻も吐かされるのです。何度も、何度も...すでに妻の身体は一ノ瀬に支配されている...彼の思うままに性的快感を操られる性奴隷に妻は落とされているのです。彼の指と彼のペニスによって、妻はどんな恥ずかしい言葉も言わされるし、どんな恥ずかしい行為も強要されるのです。ああ...裕子...無残な雌奴隷!...

 その時、一ノ瀬が澤村や僕に聞こえるよう大きな声で言い出しました。妻に話しかけていた時の小さな声とは対照的な大きな声!...そこにはどこか意地悪な響きが潜んでいるように僕には聞こえました。ソファに腰かけて雑誌を見て読んでいた澤村も顔を上げて一ノ瀬を見ています。

一ノ瀬 「ここにいるのはみんな仲間だぜ。そうだろう?...今日と明日いっぱい、せいぜい楽しく行こうや。これは共同生活だ。おお、澤村。お前も一緒に行こうぜ。まず3人で楽しんで、高原はそれからだ。おい、高原。おまえは台所の掃除をしてから2階の廊下を掃除してくれ。しっかりと丁寧にやるんだぞ。埃がちょっとでも残っていたらまた懲罰会議だ。フフフ...」

ー共同性生活ー
 共同生活だと一ノ瀬は言いました。たしかに一つ屋根の下で寝食を共にし、雑談を共にし、ゲームを共にして暮らしている男女4名の共同生活ではあります。テレビのニュースを見ながら政治的な議論に及ぶこともありました。学生の頃からそれぞれ異なる信条を持っていた3人の男が、今、理想論あるいは現実論を戦わせると、再びあの頃に戻ったような錯覚に陥ることもありました。あの頃も今も、裕子は僕の政治的な同志でもあります。しかし、ここでの共同生活はきびしい身分関係の上に成立しているのです。しかも雄3匹と雌1匹の閉鎖集団です。当然雌を巡って争いが起き、雄の順位が決まります。それは人間でも獣でも同じなのでしょう。一ノ瀬が勝利し、澤村がおこぼれに与り、僕は完全敗者となったのです。しかも同じ男同士で...同性の間で、性的な優劣関係がきまり、僕は澤村に性的隷従させられる分際に落とされているのです...共同生活を解散できない状況で、僕たち4名はそんな共同性生活を送っていたのでした。

 妻が一ノ瀬と澤村に連れて行かれてから30分ほどで台所の掃除を終えた僕は、クイックル・ワイパーとダイソンを持って2階へ上がりました。廊下の左右に部屋が2つずつ並んでいます。いずれも扉が閉まり、全体として奇妙な静寂に浸り沈んでいました。僕はまず、ワイパーで廊下を拭き始めました。静寂を破らない静かな掃除です。と、その時、妻の喘ぎ声が聞こえたように思いました。僕は動きを止めて、耳をそばだてます。どの部屋なのか?...一ノ瀬に責められているのか?...澤村はどこにいる?...二人で妻を犯しているのか?...妻はどの部屋で輪姦(まわ)されているのか?...しばらく立ち尽くしていたけど、どの部屋から妻の喘ぎが洩れて来るのか、見当がつきませんでした。

 僕はクイックル・ワイパーで床を拭きながら廊下を5往復しました。一ノ瀬から言いつけられた数です。2往復くらいして5往復したと報告しても、決して嘘はバレないでしょう。でも、僕はそういうことはしません。言われたこと、命令されたことは誰が見ていなくてもきっちりと守るのです。守らなければならないのです。きっちりと守るところに被虐の隠微な歓びがあるのですもの。ああ、僕は奴隷なんだわ、って思えるのです。支配されているんだという満足感...マゾヒスティックな歓び...5往復する間じゅう、妻の喘ぎ声はどの部屋からともなく聞こえていました。一ノ瀬か澤村の厳しく𠮟りつける声も聞こえたような聞こえなかったような・・・

 クイックル・ワイパーを終えて、ダイソンのスイッチ入れた時、一ノ瀬の大きな声が聞こえました。それは僕がにらんだ部屋の隣の部屋からでした。「おーい、高原。ここだ、ここだ。入って来いよ」というほんの少しの嘲笑が感じられるような声。僕がダイソンを廊下の壁に立てかけてその部屋に入ると、そこにはダブル幅のベッドの上に妻が横座りに座らされています。その光景に僕は絶句し、自分のスカート姿も忘れてその場に立ち尽くしてしまいました。妻はいかにも使い古された縄で無残に縛られていたのです!...全裸に剥かれ、白い肌には縄が無残に食い込んで...両手を後ろで縛られ、乳房を上下に厳しく縛められています。閂までかけられて...妻は顔を伏せ気味にしていて、その表情をはっきりと見ることはできませんが、横顔には恥辱の思いと性的恍惚の思いが交錯しているようです。ベッドの脇には妻の縄尻を握った一ノ瀬が立ち、その向かいに澤村が立って、ともに僕を...いえ、僕の反応を見つめています。全裸緊縛された妻を目の当たりにして夫がどのような反応を見せるかを興味津々観察しているのです。ついさっきまでは、全裸緊縛で正座させられた妻を見下ろして嗜虐的な妄想を逞しくしていた視線で...
 妻はマゾヒストではありません。どちらかと言えばSの気の方が多い女です。僕の女装趣味が澤村に見抜かれた時、すでに僕は妻の前でカミングアウトしていました。あしかけ4年の間、僕はスカート姿の女装夫として暮らしていました。その時の記録でもお分かり頂けるように、妻は女装夫への自分の嗜虐的行為に酔い痴れることがあったのです。

 それにもかかわらず、今、面を伏せた妻の横顔に恍惚の気配が感じられるのは、一ノ瀬に縛られることに馴致されたということなのでしょう。厳しく縛り上げられて一切抵抗できない状態で、舌を吸われ口腔を犯され、乳首を責められ嬲られるあの快感を覚えさせられた妻...澤村の性奴隷としてスカート姿で性感を嬲られ、迫り上げられ、追い詰められ、そして屈服させられるあの快感を僕が決して忘れられないように、妻も一ノ瀬の倒錯した性戯で得られる快感を忘れられないのです。それはまるで尻に刻印された「奴隷」の焼き印のように、僕の心を、そして妻の心を、一生死ぬまで支配し続けるのでしょう。

一ノ瀬 「どうだ、高原?...率直な感想を教えてくれよ」

 一ノ瀬は妻の髪を掴んで、無理やり妻の顔を上げさせました。「裕子...」と僕は思わず呟きました。妻は悲し気に目を閉じて、恥ずかしい姿で顔を晒される恥辱に耐えています。恥辱?...それとも被虐の快感?僕の存在が妻を困惑させているのは確かでした。

高原 「どうして...どうして、こんな惨いこと?」」

一ノ瀬 「おい、おい。言っとくけどな、高原。俺が無理やり奥さんを全裸に剥き上げて、こんなふうに厳しく縛り上げたんじゃないぜ」

澤村 「ああ、そうなんだ、高原。一ノ瀬のいうとおりだ。無理に服を脱がせたりロープで縛ったわけじゃないぜ。奥さんが自発的に...」

 澤村が一ノ瀬を援護します。彼によれば、一ノ瀬に肩を抱かれながらこの部屋に入った妻は、いったん窓際のソファに一人で座って小休止を取ったとのこと。一ノ瀬は妻から離れ、クローゼットから縄や手錠、様々な筒具を取り出して来てベッドに広げたようです。妻はその様子を見るともなく見ながら、スカートの裾を直したり脚を組み直したりしてリラックスしていました。そして、一ノ瀬が「じゃ、始めようか」と優しく妻に囁くと、妻は無言で立ち上がりました。その時...すっくと立ち上がった妻のスカートのプリーツがあたかもナイフの刃みたいに凛としたものに見えて、澤村は身震いしたとのこと。妻のこれからの性行為への覚悟がスカートの襞に表れたのでしょうか?澤村のそんな気持ちは僕にも覚えがありました。






 澤村によれば、立ち上がった妻は自分の意思でプリーツスカートを落とし、セーターを脱ぎ、ブラウスのボタンを外したとのこと。スリップ一枚となった妻はベッドに座ってストッキングをガータベルトから外して脱ぎ、再び立ち上がりました。一ノ瀬に向かって立ち、スリップを肩から落としてブラジャーとパンティだけになった時、妻は顔を澤村に向けて言いました。「澤村くん、お願い。これ以上は澤村くんの手で...」妻が一ノ瀬に向かってではなく、澤村に介錯を頼んだというのは意外でした。妻の心の中では一ノ瀬は上位のご主人さまだからでしょうか?...いずれにせよ、他人の手を借りずには自分から全裸になることができなかった妻の切迫した気持ちを思いやると、今も高ぶってしまう夫です...

 彼が背中側に立ってブラジャーのホックを外し、最後にパンティを引き下ろした時、妻はその顔を伏せた全裸姿を一ノ瀬に向けていたのです。一ノ瀬は妻の顎に指をかけてその顔を優しく持ち上げて軽くキスをしたあと、サイドテーブルから縄の束を持ち出してベッドにドサっと投げ置いたのです。そして「じゃ」と催促しました。妻は「今日は縄なのね」と呟きながらベッドに上がり、正座して自分から両手を背中に回して縄を待ったのです。力を込めれば折れてしまいそうな細く白い手首...この時の妻の覚悟を思うと、今こうしてキーボードを叩いている間にも僕の体は高ぶって来るのです。もっとも、妻が一ノ瀬に、あるいは澤村に縛られるのはこれがはじめてではなかったということを僕はこの直後に知らされて更なる絶望と嫉妬の淵に投げ込まれるのですが...

 ベッドの上で正座し、両手を背中に回して縄を待つ妻に近づいたのは澤村でした。ベッドに上がってひざまずき、そのままいざり足で妻の背後に回りました。妻の手首を交差させた状態で縄を巻きつけ、その縄を前に回して乳房の上を通します。両腕をキリキリと縛ってから背中に戻し、もう一度前を回してから背側、手首の縄に戻します。もう一本の縄も手首の縄に繋いでから前に回し、乳房の下を通して両腕をきっちりと縛り、背中に戻してからもう一度前を回し、背中に戻った縄で片側の同じ縄に閂をかけ、そして最後にもう一方にも閂をかけて手首に戻します。このような手順で、澤村はとても手慣れた縄捌きで妻をすばやく縛り上げ、余った縄尻を握って高々と掲げました。「召し捕ったりィーっ!」...澤村が得意げな声で叫びます。ああ...妻は厳しく縛り上げられて...そう、彼女は生け捕りにされた女間諜またはくノ一なのです。これから彼女を待つ凄絶な拷問と陰惨な辱め!...澤村はベッドから降り、一ノ瀬に妻の縄尻を渡しました。

 澤村の声で紡ぎ出されるリアルな物語...僕が今目にしている妻の全裸緊縛姿に到るまでの出来事...それはスカート姿で立ち尽くす僕の想像力をいたく刺激しました。彼の言葉と言葉の間の空白は僕の奔放淫靡な妄想で埋め尽くされて行きました。廊下の掃除をしている時に一ノ瀬の声で僕がこの部屋に招じ入れられた時が、ちょうど妻がベッドの上で澤村に縛り上げられた時だったのです。一ノ瀬と澤村がベッドわきに立ち、一人妻だけが厳しく縄掛けされた裸体を晒しながらベッドの上に座らされている無残な光景。そして、そんな3人の男女を見つめる僕...

 澤村は縛り上げた妻をベッドからソファに座らせました。体をつけるようにして横に座り、強引にキスをしました。とても長いキス...妻はきっと、舌を吸われ弄ばれているのです。同時に上下の縄で絞り出された乳房を揉まれ、乳首を嬲られる妻。澤村も、僕や一ノ瀬と同様、学生時代には裕子に思いを寄せていたはず。それが純愛であったか単なる肉欲であったか...今となっては知るすべもありませんが、少なくとも今の妻への傍若無人な行為は、僕へのサディスティックな精神的拷問を意図していることは明らかでした。夫の目の前で妻を嬲り、犯し、辱めることで夫を精神的にいたぶって、男二人の主従関係を思い知らせようというのでしょう。澤村の指が妻の股間に入り込み、怪しげな動きをしています。妻は指で犯されながら、反応を観察されているのです。

 澤村には妻を悦ばそう、性的満足を与えよう、という発想がありません。ただ妻を夫の目の前で辱めることで夫を精神的にいたぶることだけが目的なのです。ちょうど雄犬が雌犬にマウントしてその反応を楽しむことなく交接・射精するように、自分の射精欲求を満たすだけのためのペニス挿入と抽送運動でした。妻にしてみれば、性的快感を楽しむことはできても、性的満足を得ることはできません。澤村がこれまでに何回妻を犯したか...妻の体の中で何回射精したか...それは僕には分かりませんが、彼女は澤村のそんな内心をもう熟知しているのでしょう。彼が勃起したペニスを妻の膣に押し込み、激しく腰を使いはじめて1分も経たないうちに射精の高ぶりに到達して、その余韻に浸りながら妻の体から離れるまで、妻はあからさまな反応は押し隠し、ただ目を閉じ唇も閉じたまま、嵐が過ぎ去るのを待つのでした。その様子は、いかにも不感症とも思えるけれども、見ようによっては恥辱、屈辱に耐える表情として雄犬を刺激したかもしれません。

 澤村が妻から離れ、ベッドには後ろ手縛りのまま転がされた妻だけが残りました。壁際に立たされ、一組の男女の性交を見るよう命令されていた僕...そんな僕に澤村が近づき、僕のスカートの前を掌で探ります。ウウッ...僕のスカートの下で勃起した性器を確認すると、彼はニヤッと笑いながら僕の顔を覗き込んで、「口惜しいか、高原?」と意地悪く聞いてきます。僕は黙って唇を噛み、俯いて彼をやり過ごします。

 その時、ソファに座っていた一ノ瀬がおもむろに立ち上がりました。黙って妻に近づきます。そして静かな声で「俺の番だな」...そう言いながら屈みこんで妻の肩に優しく手を置くと、僕の気のせいか、彼女の体が...後ろ手縛りで転がされた彼女の体が...一瞬ブルっと震えたように見えたのです。妻は一ノ瀬の愛撫を...責めを...待っている?...一ノ瀬は服を脱いで裸になり、いきり立ったペニスを見せたままベッドに上がって妻の横に寝転びました。妻の耳に口を近づけ、何かささやきます。しばらく何かを妻に伝えながら、その体を愛撫しながら抱きすくめます。そして長いキス...一ノ瀬が妻の唇に自分の唇を軽く合わせたり離したり...やがて互いに唇を求めあうようになって...妻の表情から、一ノ瀬の舌と妻の舌が絡み合っていると分かります。唾液を交換し、唇の触感を互いに確認し、そしてまた舌を絡ませていく淫靡な時間!...明らかに妻は一ノ瀬の言葉や愛撫に応えています。その表情で...言葉で...体で...

 一ノ瀬が妻の体を丁寧に仰向けにし、ペニスを彼女の膣口に当てました。彼女の膣はさっき澤村が吐き出した精液で満たされています。そこへ一ノ瀬がペニスをゆっくりと挿入していきます。ペニスの感覚を楽しむようにゆっくりと...ゆっくりと...根元まで押し込んだ一ノ瀬は妻の体に覆いかぶさりました。二人は互いの肉の感触を貪るように押しつけ合っています。ペニスは深々と妻の体を犯したままで、抽送運動は皆無です。体を押し付け合うことで生じるペニス亀頭の快感を一ノ瀬は楽しんでいるのです。妻はきっと一ノ瀬に貫かれていることで征服される歓びに浸っているのでしょう...

 その時、一ノ瀬が妻の背に手を回して自分の上半身とともに持ち上げました。脚を器用に組み直して胡坐をかく姿勢となり、妻はその真ん中に脚を開かされて座った格好...そう、対面胡坐の体位となったのです。後ろ手緊縛で不安定な妻の上半身を一ノ瀬の両手ががっしりと掴まえています。そしてまた長いキスを始めました。自分の舌で妻の口腔を犯し、妻の舌を絡め取り絡め取り...口を犯される被征服の快感に酔い痴れる妻。一ノ瀬はいったん唇を離して、顔を妻から離します。腰を使ってペニスを妻の体の中で突き上げると、妻は眉根を寄せ、白い歯を覗かせながら唇を半開きにして悩まし気な声を漏らします。

 残念ながら夫の責めを受けて悩まし気に顔を歪ませ、唇を半開きにする妻の写真はありません。妻の唇の雰囲気は下の写真からご想像頂けるかと存じます。新婚1年目くらい、まだ24歳の時の妻の写真。この唇を割って最初に20代の妻の舌を弄んだのは一ノ瀬の舌でした。肩を強く抱かれながら舌を吸われ弄ばれる淫らな快楽の予感を結婚前の生娘だった妻に植え付けた一ノ瀬。口腔を犯される性的快感を結婚後まもない妻に徹底的に教え込んだ一ノ瀬。この写真の妻はすでに一ノ瀬のディープキスの味を知っているのです。それだけではありません。一ノ瀬によってすでに女の体の歓びを教えられているのです。僕とのセックスは彼女にとって妻としての役割に過ぎなかったのです。事実、僕は早漏のままで、あっという間に射精してしまって事は終わるのでした。そのことで妻が不平不満を言ったり詰ったりすることはありませんでした。きっと沈黙することで、自分の不倫に起因する罪悪感を打ち消していたのでしょう。

 下の写真は30歳代後半の妻です。まさにこの女盛りの頃、夫は仕事で出張も増える一方で妻は一ノ瀬と頻繁に逢引きを繰り返し、自ら進んで彼の性戯に屈服していたのです!...柔らかい妻の唇...一ノ瀬の舌で...指で...性器で...無残に蹂躙され続けた妻の唇...その屈辱に性的快感を感じて酔い痴れていた妻の体...妻の精神...もっとも、出張の機会が増えた夫は夫で、スカート姿での外出に精を出していたのです。スカート姿で地方の町の小さな本屋に入りSM雑誌を買ったり、フランス文庫を立ち読みしたものです。あの時の緊張感と興奮は今も忘れられません。夫が自分一人で倒錯した女装被虐妄想に浸っていたからこそ、妻を一ノ瀬に奪われることになったのだとしても、夫が後悔することは何もありません...
 

 上の写真からは、夫の責めを受けて唇を半開きにしてよがる妻の表情は分かりません。日頃パソコンで楽しんでいるSM映画では、「奴隷調教請負人」という映画に出ている樹花凛という女優さんの表情が妻に近いと思っています。これから肉体に加えられようとする責めの予感に震える表情。乳首を愛撫され、抓られ、苛められて苦痛と快楽に苦悶する表情。いつも唇が半開きになって白い歯が覗いています。妻と同じ表情...この表情が夫の嗜虐心をそそるのでした。
 

 僕たち夫婦のセックスはいつも着衣のままでした。妻にパンティを禁じたまま、地下鉄で繁華街に出たり近所の公園に行ったりすることが前戯でした。アパートに戻ると、いつも妻の体はしっとりと濡れていました。正常位で挿入してから、そのまま対面胡座に移行します。胡坐ずわりの僕を股がされた格好の妻の両脚はいっぱいに伸び、二人の結合部は太ももと一緒に妻のスカートで覆われています。僕は妻を性器で突き上げながら、妻のブラウスのボタンを外して乳房を剥き出します。それを厳しく揉んだり、乳首を吸ったり抓ったりしながら、妻の表情を……形のいい唇を半開きにして、喘いだり呻いたりする妻の表情を……苦痛に歪み、快感に酔い、恥辱に耐える妻の表情を心ゆくまで楽しむ。それが僕たち夫婦のセックスでした。

 ああ...その同じことを...同じ責めを今、一ノ瀬が妻に加えているのです。彼女は一ノ瀬に繰り返し厳しい訊問を受けて何もかも白状してしまっている...妻が夫とどのような性生活を送ってきたのか。どのような服装が夫の好みなのか。どのような体位が夫の好みなのか、妻の好みなのか。夫のセックスに満足してきたか。妻は何もかも告白させられてきたのです。でも、なぜ?...どうやって?...それが一ノ瀬の性技なのです。執拗でありながらメリハリをつけ、エネルギッシュでありながら老獪な彼の性技の奴隷に落とされてきた妻...僕が澤村の性技に隷従させられているように、妻は一ノ瀬に隷従させられているのです。いえ、僕も妻も、自分からすすんで隷従しているのです。ああ...僕たち夫婦の運命だったということなのでしょうか?

 ここで一ノ瀬は妻の縄を解き始めました。腕を解放し、胸を解放し、最後に手首を解放し、妻を完全に自由にしたのです。妻は一ノ瀬から離れることができる。彼の頬を打つこともできる。それなのに妻は自分から一ノ瀬の首に抱きついて...いいえ、彼奴の首に縋りついているではありませんか!...体と心の隅々まで弛緩させる深い快感を与えてくれている一ノ瀬の性器、一ノ瀬の体...一ノ瀬の存在にしがみついてその快感を貪っているではありませんか!...彼女は夫に見られていると知って、猶のこと燃え上がっている...性的に無力であり続けた夫への復讐なのでしょうか?...一ノ瀬の責めの突き上げに対して時々あげる喘ぎ声も、こちらに顔を向けて見せる恍惚と苦悶の表情も、どれも夫を苦しめるための妻の演技と言ったら間違いになるでしょうか?

 妻と一ノ瀬の性行為を見せつけられて、マゾ心ゆえの激しい勃起を感じていた僕の首輪にリードが付けられました。「四つん這いだ、高原」と澤村の声。僕はそのままの格好でお尻を澤村の笞で叩かれながら廊下に出され、隣の部屋の前まで歩かされました。澤村が持参の鍵で扉を開け、僕は四つん這いのまま部屋の中へ追いやられました。そのまま僕は澤村にウシロから犯されて激しい抽送運動で責められました。彼も興奮していたのでしょう。彼の勃起した性器のそれまでにない硬さ。彼の責めのそれまでにない執拗さ。性器の抽送と同期して彼の意地悪な手で扱かれる僕の性器。延々と続いた性交の果てに澤村は大量の精液を僕の体内に放出したのでした。彼が絶頂に達した時、また彼の手の動きが止まり、僕の性器から離れて行きました。ああ、また...もう気が狂いそう。焦らされて焦らされて、この気持ちをどこへ持って行けばいいのか。これはもう拷問...耐えがたい拷問だわ。ああ・・・

 一ノ瀬も澤村も、この夕方の倒錯した性行為が終わった後はおとなしく夕食に進み、その後も4人揃って居間でテレビを見ながらウィスキーの水割りを飲みながら談笑しました。もちろん僕は性奴隷の制服のようなスカート姿で赤い首輪も嵌められたままでしたが、彼らの嗜虐欲をそそることはないようでした。妻も何ごともなかったかのように穏やかな表情で談笑に加わっていました。その夜もお開きになる時、僕は一ノ瀬に言われました。「いよいよ明日が最後だ。お前は明日一日、女言葉を使うんだ、いいな、高原?」...各自寝室に引き上げた後も、何事も起こらず、妻と僕も何ごともなかったかのように静かに眠りについたのでした。男全員の性欲が満たされた穏やかな夜...

ー夫婦調教最後の日ー
 この日のことがあらかじめ妻と一ノ瀬、澤村の間で摺り合わされていたのかどうか、僕には分かりません。でも僕が目覚めた時、これまでのように妻はもうベッドから出ており、僕がメイド服に着替えて下に降りて行った時、三人はすでに朝食を済ませてコーヒーを飲みながら何か熱心に話し合っていました。今日は一ノ瀬邸での調教最後の日です。僕の姿を見ると、彼らは一斉に口をつぐみました。

 部屋の入口に佇んでいるメイド服姿の僕に向かって一ノ瀬が言いました。「遅いな、高原。そこの壁の前に立て」...僕は言われるがまま指定された壁際に立ちました。「遅刻した罰として、お前は朝食抜きだ」...テーブルには妻が用意したであろう朝食が一人分残されていました。でも、今の一ノ瀬の言葉を受けて、妻が立ち上がって残された朝食を片づけ始めたのです。ああ...今朝の妻は綺麗にフレアがかかった紺無地の膝丈スカートに昨日と同じ薄地ニットの赤いセーター。ブラウスは白に変わっています。

一ノ瀬 「遅刻したのはわざとなのか、高原?」

 僕が「いいえ、そうじゃありません。すっかり寝坊してしまいました。ごめんなさい。お許し下さい」と答えると、一ノ瀬は「簡単に許すわけにはいかないぜ。お前だって分かってるだろ?当然懲罰が必要だ。その懲罰が欲しくてわざと遅刻したんじゃないのか?...それから、昨日言ったはずだろ?ちゃんと女言葉を使えッ!」と意地悪く訊いてきます。僕はスカートの裾を両手で押さえながら答えます。「そんなことはありません。罰を欲しがるなんて...」一ノ瀬がかさにかかって僕を追い詰めます。「お前、マゾなんだろ?ちがうか、高原?」僕は泣き叫ぶような気持ちで「はい...そうですわ。私はこうしてスカート姿で興奮するマゾ...変態女装マゾの中林純子ですわ」と一気に恥ずかしい女言葉を使って答えました。

一ノ瀬 「フフ...いいぞ、高原。じゃ、聞くぜ、純子さん。マゾって何ですか?説明しなさい」

高原 「そ、それは...」

一ノ瀬 「マゾとは何か。自分の口で自分の言葉で説明しなさい」

高原 「マゾとは...マゾって...」

 一ノ瀬が意地悪く執拗に訊いてきます。答えにくいこと、言いたくないことを無遠慮にズバズバと訊いてくるのです。こんな訊問そのものが苛めでした。精神的ないたぶりです。僕のプライドや自尊心をズタズタに引き裂いて、徹底的に貶めようという一ノ瀬の魂胆は明らかでした。でも、結局は僕は一ノ瀬の性奴隷です。彼の魂胆に従って屈辱に耐えるしか道はありません。

一ノ瀬 「中林純子!」

高原 「はい、一ノ瀬さま。マゾとは...マゾとは、苛められたり辱められたりして歓ぶ変態のこと...」

一ノ瀬 「そういえば昨日か一昨日かも同じことを訊いたっけな。じゃ、今日は辱めについて詳しく訊問しよう。中林純子、そもそも辱められるとはどういうことだ?」

 ああ...話が核心に入って来ました。一番答えたくないこと。辱めだなんて。具体的なことを言ったら、きっと同じことをされる。そうなったら、きっと僕は悦ぶでしょう。ダメ、言っちゃダメ。一ノ瀬は立ち上がって立たされている僕の前に椅子を三つ並べました。メイド服姿の僕のほんの1メートルくらい前です。一ノ瀬が真ん中、妻と澤村はそれぞれ左右に座ります。

高原 「辱められるって...それはたとえば...恥ずかしいことをされること」

一ノ瀬 「もっとはっきり言えよ。恥ずかしいことって、どんなことだ?」

高原 「いやらしいことをされるとか、みんなの前で恥をかかされることとか...」

一ノ瀬 「みんなの前で恥をかかされるって?...具体的にどうされるんだ?」

高原 「・・・ ・・・」

一ノ瀬 「言えよ、高原。恥をかかされるってどんな恥だ?」

高原 「いやッ!...もういや。お願い、これ以上は堪忍して...そんなこと、自分の口からは言えないわ。お許しください、お願い...」

 女言葉を使わされて興奮している体が、サディスティックな訊問を受けてますます高ぶっています。もう堪忍...僕は哀願の視線を一ノ瀬に送ります。そんな僕を妻と澤村がじっと見ています。ああ、つらい...つらいわ、こんな純子を見られるなんて...

一ノ瀬 「ご主人さまの命令に逆らうのか、高原。中林純子?...命令に逆らえば懲罰だが、お前は厳しい懲罰を受けたいのか、中林純子?」

高原 「どうぞご主人さまのお好きなように。恥ずかしいこと、いやなことを自分の口で言わされるよりは、罰を受けた方がましですわ」

一ノ瀬 「いいだろう、中林純子。今、そこで服と下着を脱いで全裸になるのだ。これから中林純子の懲罰ショーを始める。お前の口で恥ずかしいことを言わせるための拷問だ、中林純子。拷問は長引くぞ。おまえは結局口を割ることになる。はやく服を脱いでそこに正座しろッ!」

 逆らうことはできません。僕は命じられるがままに赤いロープの股縄だけの全裸になり、そこに正座しました。メイド服を脱ぎ始めた時から、ウシロを犯している淫具のスイッチが入れられています。カーペットの上で全裸で正座させられている僕の前に一ノ瀬が手錠と革紐二本を投げつけました。カチャンという乾いた音。澤村から調教を受ける時によく使われる戒具です。革紐は性器根元と陰嚢の根元をそれぞれ縛り上げるため、言わば、ペニスの拘束具。
 今日、これを僕に着けるのは妻でした。一ノ瀬の命令です。彼にとっては、夫婦間のSMプレイ的な趣向もあるのでしょう。妻の手で、後ろ手に拘束され、ペニスと睾丸を締めつけられた段階で、僕は二人の奴隷として扱われることになります。下の模式図では(ウ)に当たります。ちなみにはじめて女装がバレて澤村の性奴隷に落とされた状態が(ア)、家での女装を認めてもらう代わりに妻の労働奴隷に落とされた状態が(イ)、一ノ瀬と澤村が妻を犯す権利を獲得し、かつ、彼らが妻に夫を苛める権利を認めた今の状態が(エ)です。常に僕は最下層の性奴隷・労働奴隷の身分なのです。
 妻の細く白い手が器用に動いて革紐がきつく締め上げられます。「ごめんね。痛い?」と妻が耳元で囁きます。僕は「大丈夫」と呟くように答え、苦痛と屈辱に耐えるのです。妻は革紐を思い切り厳しく締め上げるよう一ノ瀬に言い含められているのでしょう。言葉とは裏腹に容赦ない厳しさでペニスと睾丸を締めつけてきます。ウウウウ...図らずも苦痛に耐える声が漏れてしまいます。

 やがて妻は立ち上がり、僕から離れた所でパンティを脱ぎ、そのままソファの上に座る一ノ瀬と向かい合う姿勢で、ひとしきり一ノ瀬に貫かれてきびしい責めを受けました。妻はフレアスカートを持ち上げた格好で一ノ瀬の勃起したペニスを膣で受け入れ、そのまま深く腰を鎮めたのでした。スカートはパッと広がって、妻と一ノ瀬の男女の媾合を綺麗に覆い隠しています。体内射精されたあと、妻は一ノ瀬に命じられて、ソファに座ったままの一ノ瀬に口で奉仕をするのです。

 同時に僕は、妻の股間の後始末を命じられます。床に脚を広げて座って一ノ瀬のペニスの後始末をする妻の股間に顔を挟まれて、僕は口だけを使って妻の股間の後始末をするのです。驚いたことにいつの間にか妻の陰部は完璧に剃毛されています。男の手で陰毛を剃り上げられる時の妻の女としての恥辱・屈辱を思いました。妻の膣から溢れる一ノ瀬の精液と妻の愛液をなめ尽くす。そうしながら、縛られたペニスが熱くなり、頭の中がボーっとしてきます。一ノ瀬の許しが出るまで、妻も僕もやめることはできません。その間もウシロを犯している淫具は澤村か一ノ瀬の手で意地悪くオン・オフを繰り返しています...

 妻に口での奉仕をしばらくさせた後、一ノ瀬は、「高原も少し楽しませてやりなさい。外見上は裕子のご主人だからね」と命じるのです。これは一ノ瀬がときどき楽しむ意地悪な遊びです。僕は妻の手で木の椅子に座らされ、椅子の脚に脚を縛り付けられます。そして、ペニスを締め付けていた拘束具を外されると、妻の手でペニスをしごかれます。アア...僕にとって至福のときですが、射精を迎えようとする直前で妻の手は止まります。こうやって、妻のみが知る絶妙のタイミングで射精直前で止めらるということを繰り返されるのです。

 妻の手による愛撫は僕にとって至福ですが、射精を迎えようとするたびに手を止められ、それを繰り返されると、だんだんと耐え難い苦痛になってきます。この責めは、私の体を知り尽くしている妻だからこそできるものです。一ノ瀬は澤村とともに、こうやって妻に責められる僕の表情を見て楽しむのです。妻もサディスティックに楽しんでいる感じもします。椅子に縛り付けられた僕の後ろから手を回してペニスを手で包み、愛撫するのですが、胸をぴっりとくっつけ、耳元で「行きたい?」と囁いたりします。でも、決して行かせてくれることはありません。

 いつもギリギリの状態で止められたままにされるつらさ!...しばらくこういうことを繰り返されると、それこそ触れただけでイッてしまいそうな状態になりますが、そうなるとしばらく椅子に縛りつけられたまま放置されるのです。そして、今度は一ノ瀬が妻を僕から引き離してカーペットの上に四つん這いにさせ、後ろから妻の髪を持って顔を引き上げながら思う存分犯したり、澤村に妻を引き渡して犯させたりするのです。僕は行き場のない性欲を溜め込んだまま、二人の男に辱められ続ける妻の愉悦の声を午前中いっぱい聞き続けさせられたのでした。

ー夫婦奴隷としての辱めー
 最後の日の午後でした。一ノ瀬が今回の合宿の締めと称して、僕と妻に全裸になるよう命令したのです。これまでの長い調教生活で妻が僕の目の前で全裸に剥かれるのは初めてです。一ノ瀬に嬲られる時や、まれにはこの合宿のように澤村も交えて辱められる時はおそらく全裸を強要されることもあるでしょう。現に昨日も妻は全裸緊縛されて性的な辱めを受けていました。でもそれはベッドの上のこと。今、こんな明るくて広いリビングで、男三人の前で全裸を強要される妻の気持ちを思うと胸が絞めつけられるようでした。厳しい声で促されて僕はメイド服もランジェリーもストッキングも全部脱ぎました。妻もセーターを脱いでスカートを落とし、全てを脱いで全裸になりました。

一ノ瀬 「いいぞ。お前たち夫婦は俺と澤村の奴隷だ。性奴隷だ。いいな?...これからたっぷりと辱めてやるぜ。その前に、高原。奥さんの前にひざまずいて体をじっくりと拝んでおけ」

 僕は一ノ瀬の意図を組み切れず、とりあえず命令に従って妻の前にひざまずきました。妻の白い体が塑像のように僕の目の前にあります。その時、一ノ瀬が「奥さん、脚を開いてッ!...もっと大きく!」と妻に命令しました。大きく開かれた妻の太ももの付け根あたり...さっきも気がついたけど、妻の陰部は綺麗に剃り上げられています。剃毛! 彼女がどんな姿勢で、どんな気持ちで、その恥辱の処置を受けたのかと思うと、身を切られる思いでした。さらに剃られたところを今、男たちに晒して、女体を何もかも弄られる身だと、自分の体で云わされているのです。妻は恥辱に耐えかねてか、俯いたままです。 やがて一ノ瀬が全裸の僕たち夫婦に正座するよう命令しました。一ノ瀬と澤村が並んで座る椅子の前に、僕たち夫婦は並んで正座します。俯いたまま・・・

 一、二分の間、沈黙の中で僕たち夫婦はそうやって晒しもののように正座させられていましたが、「顔を上げて!...ほら、妻の裕子を使ってくださいって、澤村に頼むんだよ。」と、おもむろに一ノ瀬が椅子に座ったまま僕の肩を足で小突きます。「はい・・・」...妻は私の横で俯いています。「澤村さま。今日もまた、つ、妻の裕子を、好きなだけ、使ってやってください。」...「へえ、驚いたね。高原の奥さん、こんないい女なのに...いいのかい?」と澤村がひょうきんな声を上げています。「ど、どうぞ澤村さまのお気の済むまで...ご存分に...妻の体を使ってやって下さい」...「じゃあ、とりあえず、舐めてもらおうかな。」と言う言葉で妻による澤村の性欲処理が始まりました。

 妻は澤村の前に進むと、ズボンのチャックを降ろし、ブリーフの間に指を入れ、ペニスをまさぐります。彼は「女の手で、出されるのは気持ちがいいもんだな。」と満足気に言います。妻は、澤村のズボンのチャックを降ろし、勃起したペニスをそっと引きずり出すと、頬にかかった髪の毛を手でかきあげながら、口に含み、頭を動かし始めます。夫以外の男性の前にひざまずき、髪を振り乱しながら彼のペニスに一心不乱に奉仕する妻の姿!...

 今日はまだ射精していないとはいえ、昨日も妻の中に射精していた澤村です。ちょっとやそっとの刺激では射精に到ることができません。妻の顔を両手で掴んで腰を激しく動かしています。妻の目に涙が浮かび、そして滴となって落ちているのは、喉の奥までペニスを突っ込まれているのでしょう。妻は必死で耐えながら、きっと舌も使いながら澤村を絶頂に導こうとしてるようです。それはとても長い時間でした。口と喉を赤黒く勃起した澤村のペニスで犯されながら苦痛と屈辱に耐えている妻にとっても、そしてそんな妻を目の前に見ている夫の僕にとっても、とてつもなく長い時間でした。一ノ瀬は時々足で僕の顔を持ち上げて、表情を確かめては楽しんでいるようでした。

 澤村がついに射精した時、出し切るまで妻の頭をしっかりと握って離さず、「まだ飲み込むんじゃない、奥さん」と大声で叫んでから妻を放しました。そして口を開けて中を見せるよう命令したのです。妻の口の中には白いドロッとした液体が...「よし、全部飲みなさい。一滴も残さず飲んで、それから俺のペニスを舐めて綺麗にしなさい」と澤村がさらに命令します。まだ勃起が続いている澤村のペニスと陰嚢を彼が納得するまで舐め終わった妻は、そのままぐったりとカーペットに倒れ込みました。そんな妻の剥き出しの尻にピシリッ!...と笞が入れられたのです。一ノ瀬が「ダメだよ、奥さん。性奴隷はお仕事が終わったら正座して次の命令を待つんだよ」と言って妻を苛めます。ピシリッ!...ピシリッ!...妻は泣きながら、急いで正座の姿勢を取ります。「痛いッ!...ごめんなさい...ごめんなさい...許して...痛いッ!...堪忍...笞は堪忍...」

 澤村はソファに座り込んで一ノ瀬が妻を折檻する様子を見ています。そして僕の顔を覗き込んで「夫婦奴隷はつらいな、高原」と話しかけてきます。「はい、澤村さま。つらいです。とてもつらいですわ」...「いい気味だよ、高原。いい気味だ」...

 全裸の妻はカーペットの上に仰向けに横たわるよう命令されました。一ノ瀬が「これから久しぶりにご主人に犯してもらいなさい、裕子」と言いました。そして勃起したペニスを丸出しにされた僕に向かって宣言しました...「高原。これから奥さんとセックスすることを許してやるよ。久しぶりだろう?...その勃起したペニスを奥さんの体に入れていいだぞ。ただし、ただし、だ。入れるだけで、腰を使うことは厳禁だ。いいか、高原。入れてペニスの感覚を楽しむがいい。だが出し入れはダメだ」...

 僕は後ろ手拘束されたまま、妻のからだに勃起した性器を入れさせられました。妻が手伝ってくれなければ、入れられませんでした。挿入は許可されましたが、腰を使うことは許されません。抽送運動は禁じられているのです。ペニスがしっとりと暖かく濡れた妻の体で包まれる快感!...今、妻は仰向けに横たわり、その上に僕が被さる形になっているので、男女の媾合は外からは分かりません。ああ...久しぶりの妻の体!...全裸の僕は赤いロープでかけられた股縄だけが衣装です。その縄は尻の肉の谷間にきっちりと無残に食い込んでいます。アア、気持ちいい...いつの間にか妻の両手が僕の背中に回り、僕の上半身をしっかりと掴んでいます。

 妻は一ノ瀬の折檻を受けて間もないので、まだ息も荒く、唇も半開きになって苦悶・屈辱の表情で喘いでいます。僕は唇を思い切り強く妻の唇に押しつけました。半開きの唇から舌を突き出すと、妻は許してくれました。彼女の舌が僕の舌を迎え入れてくれたのです。アアァ...気持ちいい...これまで僕には許してくれなかった唇の中...僕は夢中で妻の舌を求め、妻の口の中を舌で探り回りました。互いの舌をもつれ合わせるたびに、妻の膣が高揚でピクピクと痙攣して収縮して、僕のペニスをギュッと包みます。それがとても気持ちいい...と、いきなり右足首を取られて縄が巻きつけられ、妻の足に縛りつけられました。続いて左足首も。僕たち夫婦は両脚を結びつけられてしまったのです。

 ああ...気持ちいい...ほんとに久しぶりに裕子の体を味わってるよ...僕は妻の耳元で囁きました。私もよ...久しぶりだわ...ここでずっとあの人たちに犯されて...辱められて...ああ...気持ちいいわ...妻も囁きます。そして僕は一ノ瀬の命令に背いて腰を動かしてしまったのです。ピシリッ!...尻に鋭い痛みが走ります。ピシリッ!...ウウウッ...動かすんじゃないと言っただろ、高原?...一ノ瀬が僕と妻の右足を外側に蹴りました。次に左足も。僕と妻は両脚を大きく広げた格好になってしまったのです。そこへ一ノ瀬の手が伸びて来ました。僕の尻をいやらしく撫で回し、太ももを弄り、そして陰嚢を嬲ります。アアァ...手が離れたかと思うと、またピシリッ!...ピシリッ!...笞が入れられると、痛さで腰がピクリと動くのです。その動きが妻の体の中に挿入された僕のペニスを刺激します。ピシリッ!...ピクリ...ピシリッ!...ピクリ...笞打たれるたびに性的快感を感じさせられる状況で、僕はいつしか一ノ瀬の笞を待ちわびるようになりました。夫の体の変化を感じ取ったのでしょうか、これまでにも増して夫の体を両手で抱きしめてきます。

 この時、驚くべきことが起こりました。一ノ瀬に分かるはずはないのに、その笞のリズムがだんだん僕の射精に向かう体と精神のリズムに同期してきたのです。昔、自分で自分を苛めていた時、太ももの根元(鼠径部)を革ベルト鞭で打つリズムが自分のリズムと合うと、性器に触れることなく射精してしまう、ということがありました。不思議なことですが、事実です。ピシリッ!...ピクリ...ピシリッ!...ピクリ...笞は尻に入れられ、太ももの内側を打ち、外側を叩きました。その都度、ペニスがピクリと動いて妻の膣壁に擦れるのです。一ノ瀬もそれを知っているのか、徐々に笞のリズムが加速していったのです。ピシリッ!...ピシリッ!...ピシリッ!...ピシリッ!...ピシリッ!...

 この4日間、スカート姿で澤村の調教を受け、妻が目の前で一ノ瀬と澤村に凌辱されるのを見せつけられ続けた僕...その間射精を厳しく禁止され続けた僕...もう僕の体は十分に熟れ切っていたのです。そもそも釧路に来る前の2週間、僕は澤村の命令で射精を禁じられていました...一ノ瀬の何十回目か何百回目の一発が、僕の男性としての生理を完全に解放しました。溜まりきった精液がドクドクと波のような快感とともにペニスから妻の体の中へ放出されて行きました。妻の両手は今や背に爪を立てるほどに夫の体に強く巻きついて、あたかも夫と共に絶頂に酔い痴れようとしているかのようでした。

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 僕がペニスを妻の体に挿入するのも、そして妻の体の中で射精するのも、この時が最後となりました。釧路での4人の男女の共同生活から2年が経ちましたが、その間、妻との生活で妻の体に触れることはもちろん妻の裸や下着姿を見ることまで一ノ瀬の命令で厳しく禁じられています(それでいて妻は僕好みのスカート姿で家庭生活を続けているのです)。もちろんキスもできません。オナニーでの射精は一ノ瀬によって妻を通して絶対的に管理され、一ノ瀬の許しが出ている場合も澤村によって個人的に管理されています。いわば二重管理される僕の射精です...今年で2年になる鞭とロープと手錠の日々。折檻と拷問と性的辱めの日々。そして射精を厳しく意地悪に管理される日々。常にスカート姿で発情させられながら、ギリギリの射精直前の状態で放置される苦しさ!...これまで2年間続いてきたこんな生き地獄は今日も続いています。そして明日も...きっと来週も、来月も、来年も・・・
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